DENON DAT Deck DTR-2000G Report







2004年04月19日

今やDATを現行ラインナップで販売しているのは、ソニーとパイオニアぐらいになってしまいました。
しかしDATが登場してしばらくは、夢のデジタル録音メディアとしてDATデッキやポータブルDATが各社から競って発売されたものです。
今回取り上げるDENONのDTR-2000G(以下、2000G)は、あまりサイト上で取り上げられる機会がないので、我が家の現役マシンでもある2000Gをご紹介してみます。

DTR-2000G
1990年6月発売
定価 128,000円

主な仕様
録音モード 48KHz(16bit)
44.1KHz(16bit)デジタル入力オンリー
32KHz(16bit)
コピーガード SCMS
周波数特性 2〜22,000Hz(48KHz)
全高調波ひずみ率 0.008%以下(1KHz)
S/N比 90dB
ダイナミックレンジ 90dB
入力端子 同軸デジタル 1系統
光デジタル 1系統
ライン 1系統
出力端子 同軸デジタル 1系統
光デジタル 1系統
ライン 1系統
ヘッドホン 1系統
大きさ(mm) 470(W)×122(H)×320(D) mm
重さ 約8.5Kg




上がDTR-2000Gで、下がCDプレーヤーのDCD-1650GL(1650Gのリミテッドエディション)です。この頃のDENONの標準デザインで、飽きのこないシンプルなフロントフェースです。
ちなみに上に並んでいるのは花王から出ていたDATミュージックテープです。今では貴重なソースです。当時、花王は磁気メディアに進出中で、DATメディア普及活動の一環として、DATミュージックテープを発売していました。花王のエンジニアとディレクターが非常にマニアックな方で、大手レーベルではできないような技術や機材を投入し、ユニークかつ高音質な仕上がりになっています。もし見かけたら是非入手することをお勧めします。
下の1650GLは、1650GのDACやパーツに選別品を使い、限定バージョンとして出していたCDプレーヤーです。当時DENONはこの手を使ってLimitedバージョンをよく出してました。(^^;



こちらは上記デザインを踏襲した3ヘッドカセットデッキ・DRS-810G です。2ヘッドデッキ(オートリバースデッキ?)も存在したようですが、詳細不明です。



1990年は日本コロムビア創立80周年の年で、この年に発売された2000Gにはこのようなラベルが貼られていました。



テープトレイは平凡なリニアスケーティング方式です。
構造上テープが見えないので、残量チェックがやや困難です。




蛍光表示の全景です。
色は白一色で、表示のメリハリには欠けますが、シンプルで見やすいとも言えるかもしれません。



テープ操作部です。
CDプレーヤーとレイアウトが共通なので、誤操作することは少ないです。



以下はシーリングパネル内です。
当時のDENONの看板技術だったリアル20bitラムダ・スーパー・リニア・コンバータを搭載。
私は不毛な方式論争が嫌いなので、どの方式でも特に気にしませんが、マルチビット方式を極めたDENONの姿勢には好感が持てます。




ID書き込み・消去や蛍光管表示の操作スイッチが集約されています。
ほとんどリモコンで操作できるとは言え、IDの打ち込みは本体側で行なうのが普通だと思うので、もうちょっと操作しやすいものにして欲しかったです。
事実、IDの入力消去作業が必要な時は、操作系スイッチが全て表に出ているソニーのDTC-57ESを使います。



ちょっとおしゃれな丸いスイッチ(テンキー)です。



入力切替えとバランス(アナログ入力)、ヘッドフォンレベルボリュームです。
狭いところにある小さなツマミなので、操作しにくいです。
これまで見てきた通り、2000GにSP/LPモード切替スイッチはありません。SP(標準速)専用です。



内部写真です。
DATデビューが遅かった割に、内部は簡素で、あまり積極的に設計・販売したようには見えません。
事実、DENONが発売したDATデッキは、
・DTR-2000G(\128,000)
・DTR-2000GL(\128,000)
・DTR-100P(\99,000)
・DTR-80P(\89,800)
・DTR-80PL(\89,800)
だけです。
しかも80PシリーズはカシオのOEMだったので、実質的には2機種しか作っていないことになります。(2000GLは2000Gの部品選別バージョンで、基本的な構造は全く一緒)
メカはメーカー不明です。FF/REWが400倍速という高速がウリでした。


電源の平滑コンデンサ。
電源もそれほどコストをかけておらず、バブル時代の設計にしては質素な(?)ものです。



デジタルフィルタ・NPC社製SM5813 です。
このデジタルフィルタは8倍オーバーサンプリング方式で、この当時には広く使われていました。



DAC部です。
DACチップは18Bit/8fs対応のバーブラウン社PCM61PのJランクをMSB調整して使っています。10万円を超える商品ですから、外部回路構成して欲しかったです。
ちなみに、SM5813+PCM61Pの組み合わせは、他社でも割とよく使われていて、同時期に発売されていた多機能で安い( \99800 ) ソニーのDTC-55ESにユーザーが流れても仕方ないでしょう。
DENONがCDに比べてDATにあまり熱心でなかったと思う根拠はこの辺にあります。



リアパネルです。
アナログのIN/OUT、デジタル(同軸と光)のIN/OUTが全て揃っています。


機種銘板です。




2000Gのカタログです。