YAMAHA Sound Field Processor DSP-1 レポート

Last Update : 2003/02/20


平日に風邪を引いてしまい、出社前に医者へ行ったのだが、ハードオフのすぐ近所だったので、熱にうなされてフラフラと立ち寄ってしまった。(ぉぃ)
そこに見付けたのは、週末じゃ絶対手に入らないであろう、上等のジャンク機器。(やはり平日に行くと競争率が低い)
展示棚の奥に、収納しきれないジャンク品が何台か積んであったので、それらをかき分けて取り出したところ、何とヤマハの音場再生プロセッサーDSP-1が2台もあった!
このDSP-1、サラウンドプロセッサー界の記念モデルと呼んでも過言ではない。
ヤマハは楽器を取り扱っている関係で、コンサートホールやライブハウスとの関わりも強く、数千ヶ所のホールの音場特性データを保有していると言われる。
今でこそポピュラーになったサラウンドプロセッサーだけど、DSPを用いて音場データを処理し、まるでコンサートホールにいるような音場を作ることのできる世界初の画期的なサラウンドプロセッサーがこのDSP-1なのだ。
1986年発売、定価138000円。当時、とても手に入れることのできなかった逸品である。それが今ではたったの3000円。(^^;
今、同じ物を作れば、おそらく主要デバイスが安くなったので10万円以上することはないと思うけど、音場データはヤマハが誇るソフトウェア資産だろうし、この値段で入手できるなら、少々不具合があっても御の字でしょう。
天板に目立つキズがある以外、全く問題ないので、早速捕獲して手入れしてみました。残念ながら、DSP再生にはスピーカーとアンプが別途必要なので、試聴はまた後日。取り敢えず本体を見てみましょう。

それにしても中古AVセレクタと同等の値付けをするハードオフ店員は、無知というか、ありがたいというか・・・・。


まずはフロントフェースから。
ボタンは全くなく、電源スイッチとツマミ3つ、ゴムカバー付きの入力端子だけのシンプルなもの。
幸いフロントに目立つキズがなく、このままオーディオラックに入れても何ら違和感はありません。
音場モード表示の例です。予め代表的なホールやライブハウスの音場データがプリセットされています。
その他に、ユーザーが独自にプログラムして、メモリーできるようです。
残念ながら取扱説明書がないため、操作方法が分かりません。現在ヤマハにオーダー中。(500円分の切手をAV国内営業部に郵送すれば、取扱説明書が注文できる。詳細はヤマハのHP参照。)
リアパネルの入出力端子群です。
音場再生に、メインの2スピーカーと、フロントサブの2スピーカー、リアの2スピーカーの計6スピーカーを使うのが特徴です。(それまではメインの2つとリアの2つの4スピーカーが普通だった記憶がある)
一応フロント2・リア2でも再生できるよう、切換えスイッチが付いています。
また、MONO OUTというのは、ウーハー用と思われます。
トップカバーを開けた状態です。
向かって左に電源やD/A、コントロール類の回路、右側にはデジタル回路(2段重ねになっていて、下がCPU、上がDSP)が収められています。
トランス周りが、放熱スリットから侵入するホコリで汚れていましたが、年代の割に総じて綺麗でした。
デジタル基板の拡大写真。
デジタル基板らしく、すっきりとしています。
DSP基板に3つ搭載されている、ヤマハオリジナル(?)のICです。
NECの9801用サウンドカードにも搭載されていたらしいので、FM音源ICですか?
DSP基板を持ち上げると、下にCPU基板があります。
一応アナログとデジタルは分離されていることになります。
CPUには日立製のHD6303が搭載されています。
この当時としては贅沢な作りではないでしょうか?
DSPのROMデータ。256ですけど、これで足りるんでしょうか??(すみません、よく分かりません)
こちらはRAM。
ユーザーデータ記憶用でしょうか?データバックアップ用に、ボタン型電池が基板上にあります。
これはD/A部分。当時メジャーだったバーブラウンのPCM54が3つ搭載されています。
余談ですが、私の卒業研究テーマはD/Aコンバーター製作で、PCM56PKを使いました。結構な値段だった記憶があるので、DSP-1もキーデバイスでさぞコストアップしたことでしょう。
意外なことに、かのブラックゲートが使われていました。(全部で4つ)
いわゆるピュアオーディオ機器ではないため、オーディオ用ケミコンが使われていないのに、さりげなくブラックゲートが使われていることには驚きでした。
参考までに底板を取り外したところ。
よくありがちなジャンパー線が皆無というのも、なかなか美しいものです。それだけ完成度が高かったということでしょうか。
なお、底板にはサビが点在していました。ソニーのアンプ333ESRもそうですけど、経年変化で錆びるのは困った物です。
DSP-1は本体に操作機能がないため、このリモコンがないと全く使い物になりません
売っていた2台のうち、1台はリモコンなしで1000円、もう1台はリモコン付きで3000円でした。
安い方を選んだら後で泣きを見るところでした。
余談ですが、1991年頃に当時の勤務先でヤマハと共同開発した音場測定器(Universal Sound Field Analyzer)AS-2です。販売価格は270万円と記憶しています。
これ1台で各種音場データを測定できます。
開発工程が無茶苦茶で、よく発売できたものだと今でも感心してます。
DSP-1より後の発売なので、DSP-1には直接関係ありませんが、最近のDSP搭載機種のデータ取得に使われていたかもしれませんねぇ・・・。(合掌)(<ぉぃぉぃ)